浄土真宗本願寺派 教念寺
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仏教コラム
 第85話 聖地にて

 友人から、「一度、お釈迦様の八大聖地を旅しないか」と何度か誘われましたが、実現しないままに今日に至っています。
 八大聖地とはルンビニ(生誕の地)、ブッダガヤ(悟りの地)サールナート(初転法輪・初めての説教の地)、ラージギール(布教の地)、サヘート・マヘート(教団本部の地)、サンカーシャ(昇天の地)、ヴァイシャリ(最後の旅の地)、クシーナガラ(涅槃の地)をいいます。中でもお生まれになったルンビニは現在のネパールでエベレストの麓です。
 そのエベレストに先日、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんが80歳での登頂に成功しました。信じられないような驚異的な快挙です。 私自身、昨年麓から富士山に登るという経験をしましたが、極度の疲労と強度の高山病で大変苦しい思いをしました。三浦さんの日頃の鍛錬と強い忍耐力にただ敬意を払うばかりです。
 さて、登頂成功直後に頂上からよろこびの声が家族に届きました。その言葉のなかに大勢の方に支えられたことへの感謝の言葉があり、続いて「80歳で親子で一緒に登頂ができてよかった」と言われたことに私は大変感動しました。自身が高齢でこの登頂に挑みながら、逆に我子のことを気遣っていたのです。地球上の一番高い場所で隣にいる我子のことを気遣うことのできる人は滅多にいません。
 人は自分自身のフィルターを通して世の中を眺めています。ですから、同じ景色でも見方や感想が異なるのです。
 「登山」という世界で解脱の境地に達した三浦さんはお釈迦様に深い縁のある場所できっと何かを感じられたことでしょう。