浄土真宗本願寺派 教念寺
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仏教コラム
 第90話 類い稀なもの
 先日、埼玉県内の建造物で初めて国宝指定を受けた「歓喜院聖天堂」にお参りしてきました。地元熊谷では「聖天さま(しょうでんさま)」と親しまれている真言宗のお寺です。
 1197年に創建された古刹ですが、江戸時代はじめに大火により焼失しました。
 その後、享保5年(1720)に地元の大工棟梁であった林兵庫正清が再建を志し、歓喜院院主とともに募った寄付により、享保20年(1735)に着工しました。途中、度重なる水害のために中断を余儀なくされ、正清は完成を見ずに亡くなりましたが、子の正信が工事を引き継ぎ、宝暦10年(1760)に完成させました。
 この聖天堂の特徴は建物全体が極彩色を施した精巧な彫刻で飾られていることです。このような彫刻は日光の東照宮陽明門が有名ですが、決して引けをとらない荘厳さです。
 さて、国宝とは類い稀なものでこれから後世に残すべきものを大切に保護されるべきものが選ばれます。
 特に建造物ではそのほとんどが寺院や神社であることは、単に歴史的遺構としての価値よりも信仰の対象として時代を超えて多くの方々が護り継いで来たことが稀有なことであり、まさに宝なのです。
 昔から「信は荘厳より生ず」という言葉があります。それは「お荘厳」(仏前を美しくお飾りすること)の作法によって如来さまのご本願を聞き、それがすなわち信心を深めていくことになる、と言われております。
 しかし、いくら「お荘厳」を整えても「心」が無ければ意味がありませんし、長くは続きません。すなわち「荘厳あるは信心生じてのゆえに」なのです。
 宝は私の日々の中にもあったのです。