浄土真宗本願寺派 教念寺
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仏教コラム
 第134話 永く捨てぬなり
 先日、天皇陛下の退位にともなって改元の日時が発表されました。慣れ親しんだ「平成」時代も幕を閉じることとなり、少し寂しい気もします。
 次の元号は何になるのか、気になるところです。過去の元号の文字で最も多かったのは「永」であるそうです。
 私自身、漢字の中でとりわけこの「永」という字には思い出があります。若い頃に書道の手ほどきを受けた時、最初に書いた字が永の字でした。「永字八法」と言ってこの字のなかにハネやハライなど書の要素が集約されているとのことでした。しかし、何度書いても納得できる字にならず苦労しました。やがて、上手な方の字はバランスが整えられていることがわかりました。その、絶妙なバランスを体得するには多くの文字に接して自ら書かねばならないのです。字を書くことが少なくなった今日こそ書の奥深さを感じます。
 さて、親鸞聖人は阿弥陀さまのはたらきは「摂取不捨」であると示されました。この私の身を案じて「救いとって捨てない」というのです。摂取の文字に左訓が記されています。左訓とは語句の意味や読み方を左側に記したもので味わいに奥行きを与えてくれます。ここに「ひとたびとりて永く捨てぬなり」「摂はものの逃ぐるを追はへとるなり」とあります。
 阿弥陀さまがお救いくださるおこころが示されているということは、私たちのこころはこの反対にあるということです。「救われもせず、永く止めおいてくれるものもいない」「救おうというこころから逃げようとばかりしている」のが私の姿であったことに気付くことができたら何と素晴らしいことでしょうか。
 それこそが、お念仏をよろこぶ姿なのですから。

 摂取不捨の真言、超世希有の正法、聞思して遅慮することなかれ
   ー教行信証 総序ー