浄土真宗本願寺派 教念寺
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仏教コラム
 第136話 お荘厳のなかで
 先日、内陣の改修工事が行われ、内陣仏具をすべて運び出しました。一番最後に阿弥陀さまのご動座です。おつとめの後に息をこらして運ばせていただきました。
 一週間ほどの間、いつもの場所に阿弥陀さまが居ない状態でした。過去に一度だけご動座いただきましたのは、東日本大震災で余震が頻発した折に止むにやまれずのことがありましたので、今回で二度目ということになります。
 さて、ご動座いただきました阿弥陀さまは動いた以外は何も変わっておりません。しかし、どこか寂しげであり、極めて悲しい表情に映りました。それは、お荘厳がなされていないからです。本来ならば、ご移動された仮の場所でもお荘厳されなければなりませんが、何分手狭なものですから、充分なお飾りはできませんでした。誠に申し訳ない限りでした。
 いよいよ、予定の工事も終わり、元のお荘厳に戻っていきます。阿弥陀さまが本来の場所に戻られました。まさにそこには「立撮即行」(りっさつそくぎょう)のお姿がありました。立ちつづけてこの私を救わんとするお姿です。そして、すべてのお荘厳が整えられて阿弥陀さまの光が輝きを増したようでした。「荘厳」(しょうごん)とは「仏像や内陣を美しくおごそかに飾ること」とありますが、ただの飾りではありません。「信は荘厳より」ということばもありますが、形や色を超えたことなのではないでしょうか。
 私たちは日々の営みにおいて、自ら輝きを放っているかのように時に錯覚してしまいます。しかし、私を取り巻く様々なお荘厳がなされていなければ、私の輝きはありません。つまり、様々なものにお荘厳されている私だったのです。
 そのお荘厳の一番大切でありがたいものが、お念仏です。お念仏をお称えさせていただける身にさせていただいたことです。このことに気付くことは難しいことですが、歩みを止めずに進んでまいりましょう。

 南無阿弥陀仏をとなふれば
  十方無量の諸仏は
  百重千重囲繞(いにょう)して
  よろこびまもりたまふなり(浄土和讃)