浄土真宗本願寺派 教念寺
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 第19話 本物と偽物

 少し前のことです。従妹が、四歳弱と一歳半の娘二人を連れて遊びに来ました。男の子ばかりの我家に二人(従妹も入れれば三人か?)のお姫様が現れました。

  我家の末っ子は、上の姫と同い年。でも『自分は半年お兄ちゃん』という気持ちがあるみたいで、一応せっせと世話をやくわけです。ところが、姫君たちにしてみれば、この家臣はちょいと頼りないぞよ、ということになり、「これ、近う寄れ」とお声がかかるのは小学二年の三男となります。

  姫君到着を待ちわびながら、三男は下の姫を寝かしてあげるんだ、とめずらしく部屋とベッドの片付け開始。無理じゃないかと思っていましたが、けっこう子守りが上手。抱っこも添い寝もお手のもの。姫が柔らかくってあったかくって、彼もまた幸せな気分になるのでしょう。

  ついこの間まで、長男や次男が末っ子にやっていたことを、三男もやってみたかったようです。野球やボーイスカウトの活動があったのですが、「今日はお客さんだから休むと言っといてくれればよかったのに。オレだって忙しいんだから」なんて調子で、後ろ髪を引かれる思いで出かけて行きました。下の姫があんなに後追いして泣くとは。

  姫君たちに「お母さんの従兄の家だよ」と言ってもまだわからないでしょうけれど、なんとなく親戚の家だなぁ、とは思っているようです。子供の顔も自分たちと似てるしなぁ、お母さんもお客様扱いされてなくて家にいる時と同じだしなぁ、なんてね。上の姫が「大きいお兄ちゃん」と言うのは次男で「小さいお兄ちゃん」と言うのは三男のことなので、中学の長男のことをたずねると「あの人がここのお父さん、かなぁ」(笑)

  ―じゃ、住職をじいさん、私をばあさんと思っているかも―と思い、その先はこわくて聞かれませんでした。

  従妹のかわりにごはんを作ることくらいはできても、「いざ」となると従妹でないとダメなのです。偽母じゃね。

  母に抱かれて安心する姫たちを見て、私たちって、わざわざ偽仏をおがんだりしてるんじゃないか、と思いました。母親と同じで「かわり」にはなっても、「いざ」となったらやっぱりダメなんじゃないか。あみださんに抱かれて安心するのに。あみださんのお育ての中にあるのに。