浄土真宗本願寺派 教念寺
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 第46話 こっそり念仏

 今年、長男が高校1年になり、順に中学2年、小学5年、1年と進級、入学したことで、夕食を家族揃っていただくことが、ますます難しくなりました。

  まだ、、うえの三人が小学生だった頃、先輩諸姉が「今が一番いい時よ。そのうち家族揃ってお夕飯すら食べられなくなるんだから」とおっしゃっていたことが、本当にその通りになりました。

  長男がいると思えば、次男がいなかったり、ということがよくあります。

  それぞれの予定が重なり、ある時、末っ子と私のふたりで夕食でした。食事の間、「なんか、きょう、さみしいねぇ。つまんないねぇ」ばかり言っています。兄たちがいればいたで、他愛もないことで喧嘩が絶えないのですが。昔、先輩に言われた「今が一番いい時よ」とは、家族揃って夕食をとるような、あたり前のことに感謝して頑張るのよ、ということなんでしょうね。

  あたり前のことに感謝するのは本当に難しく、あたり前があたり前でなくなってーああ、そうだったーと気付くのです。おそらく、ここしばらくは、毎日家族揃っての夕食は実現しないでしょう。

  私も高校生くらいから、よく父に、夕食までに帰ってくるように言われました。部活を終えて、どんなに急いでも、物理的に無理でした。それをいいことに、部活が無くなっても、高校を卒業してからも、夕食に間に合うことの方が少なかったと思います。

  「ただいまぁ」と帰ってくるまでの両親の心配なんて、全く気にせずにいました。叱られても、心配されても、心のうちをわかろうとはしませんでした。いつでも、自分は大丈夫なのに、なぜそんなに心配ばかりするのかと、あきれるくらいでした。

  今やっと、その頃の両親のおもいがわかるのですが、母には照れくさくて言い出せず、亡き父にはもっと言いようがありません。そこで、こっそりこっそり、仏前で手を合わせます。そういえば、私が帰った時はよく、祖母が仏壇の前でお念仏を唱えていました。孫娘が今日も無事帰ってきたよ、というナンマンダブだったのかもしれません。 なんだか、ますますこっそり手を合わせたくなる「私」です。