浄土真宗本願寺派 教念寺
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  第68話 母さんが壊した!


 その日は、四男と私だけの夕食でした。
 住職は出かけていて、三人の兄たちは各々帰りが遅かったのです。

 四男がくつろいでテレビを見ていると、次男が帰ってきました。定時に食事の席につかなかった場合、我家ではセルフサービスになります。でもまあ、おつゆくらい温めてあげよう、とガスのスイッチを入れた瞬間…。

バシッと音がして、台所のメインの蛍光灯が切れてしまいました。
「わぁーっ」と一斉に皆が声をあげました。次に子供たちが、

子 「母さんが壊したぁ」
私 「えーっ…母さんじゃないよ。電気には指一本触れてないもん。
    ガスの火をつけただけじゃない。」

子 「母さんだよっ!母さんが椅子から立ったら電気が消えちゃったん
    だから。お茶碗割ったりするのも、いつも母さんでしょ。ものを壊す
    のは母さんなんだよー」
私 「何インネンつけてんのっ」

子 「あ、ブレーカーが落ちたのかもしれない」
私 「…テレビついてるでしょ。ブレーカーじゃないよ」

とまぁ、こんな具合で、家での不具合は全て私の責任になり、その時はキャンプ用のランタンを出してキャンプ生活のようでした。

 翌日、蛍光灯を買ってきましたが、明るくなりません。どうやら照明器具そのものが壊れたようでした。二日間もキャンプ生活を強いられ、照明を買いに行きました。普通八〜十年はもつと言われ、たったの三年で壊れてしまった照明は、ハズレだったようです。

 スイッチを入れさえすれば電気がついてあたり前の毎日です。発電しているわけでも、難しいコードをつなぎあわせているわけでもなくて、スイッチを入れるだけでパッと明るくなる日常。

 あたり前のことが、実はあたり前ではないのだなぁと、ランタンの柔らかな灯の中で考えました。

 ボーイスカウトの子供たちは、二日間のキャンプ生活的我家がそれなりに楽しかったようですが、新しい照明器具をとりつけたら「わぁー、明るいー」と喜んでいました。

 もしかしたら…仏さまのみ光も、いつも照らしてくれていてあたり前、になってしまっているかしら。あたり前のことに感謝しないとなりませんね。