浄土真宗本願寺派 教念寺
〒352-0004
埼玉県新座市大和田1−20−6
TEL:048−477−1713
FAX:048−477−0809
メールはこちら:
info@kyonenji.jp

  第85話 花まつりのあとで


 今年も「子供花まつり」は春休み中に行いました。例年通り、不器用な私を思いやり、何人かのこどもたちが、花御堂のお飾りや準備をお手伝いします、と声をかけるまえに連絡をくれました。

 小学6年の末っ子にも予定があり、いつものように花まつりにお友達をお誘いしませんでした。何より、地震から一カ月も経っていません。ポスターを張りながら、今年の花まつりはちゃんとできるのかなぁ、と、やや心配でした。
花まつりは、私自身が『いのちの尊さ』を確認する時です。毎年沈丁花の香りがして桜のつぼみがほころんでくると、心なしかワクワクします。お彼岸が終わったら、次は花まつりだなぁ、今年はどんな紙芝居を読もうかなぁ、と思うのです。
 ところが、今年は、まったくワクワクしませんでした。連日の地震のニュースばかりが気になりました。今、自分に出来ることを一生懸命やろうと思うのですが、心がウキウキしませんでした。いつも駐車場でゲームをやるのですが、今年はいろいろと心配があったので、本堂でゲームをしました。
  お釈迦様の絵本を読んで紙芝居をし、甘茶をかけてお祝いすることができました。いつもと同じ花まつりでした。それからしばらくして、女の子が二人たずねてきました。 「ここへ来ると紙芝居を読んでもらえるって聞きました」
ちょうどお寺の用事で取りこんでいて、紙芝居を読んであげられませんでした。ごめんね、と謝って花まつりの風船とお菓子を渡しました。

 そうか!ゆとりのないのはこどもたちではなくて、大人の方だったんだ。私自身だったんだ、と教えてもらいました。

 最近は、時の番人と仲良しのはずのこどもたちが、やれ塾だ、習い事だとせかせかしています。忙しく心を亡くし、慌ただしくて心を荒らしています。
 でもそれは、ただ単に大人の方にゆとりがなくて、こどもたちは鏡になって教えてくれているんだな、と実感する出来事でした。