浄土真宗本願寺派 教念寺
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  第106話 通訳各種

 「なぁ、白いとっくり、ない?」と、住職が私に聞きました。私の傍にいた三男が、食器棚を見つめ「柄の入ってるのしかないよなぁ。」
 私が、住職の白いタートルネックのセーターを見せながら「とっくりって、これだよ、ほら、襟の形!」というと、まさに鳩が豆鉄砲くらった顔。
 多分、「とっくり」は、今の中高生には通じません。ほかにも、コールテン、チョッキ、チャック…。そんなことばは、今ほとんど使われていませんが、住職が使うので、仕方ない、私が通訳を買って出ています。(笑)
 かつては赤ちゃんだった息子たちの通訳もしましたが、その通訳も十年以上前に引退。私は日本語しか話せませんから、せいぜいそんな通訳位ですけど…。

 弟は、本山での大きな法要の時、ご門主のご親教や法話の手話通訳に行きます。手話がわからない私には、弟の手話は通じません。挨拶程度の手話は多少わかりますが、それはもちろん「手話ができます」、というレベルには程遠いわけです。
 ある時、たまたま、弟が手話で話しているのを間近に見て、あっそうか!なるほど!と、思わず万歳したくなりました。日々、何の気なしに聴いている法話、あれは、先生方が私のために通訳してくださっているのですね。
 親鸞聖人が、誰でもわかりやすいようにと、仏様のみ教えを通訳してくださいました。
 それをまた、更にわかりやすいようにと、蓮如上人が、お手紙をたくさん書いてくださいました。
 昭和・平成の私たちに、ちょっと難しい言葉や、当時と今は意味がかわってしまった言葉、仏教用語としての言葉は、わかりやすく、かみくだいて、現代の僧侶の方々が法話として通訳してくださっているのです。
「浄土真宗の僧侶が、お経をあげるだけのお経屋さんであってはならない」と、よく住職が申します。
 名通訳か迷通訳か、はたまた命がけの命通訳か、は、聴く側の評価によりますが、どうか、時には厳しく、時には温かな眼差して見守って頂けたら。
 寺の者としては、宗門として、また新たな時代となる今、現代の言葉で、現代に生きる人々の心に響く、仏法通訳をしていかねばならないんだな、と、ふんどしをしっかり締めていかねばなりません!(えっ?今時ふんどし、ですか?)