浄土真宗本願寺派 教念寺
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  第156話 ワンちゃんの厄祓(やくばら)い

 今年の干支が戌(いぬ)のせいか、昨年の暮れに、友人からこんな相談がありました。
 「我が家のワンちゃんも厄祓いした方がいいかな?」
 どうやら前のワンちゃんが亡くなった年齢になるから、らしく、ワンちゃんも長生きになっているから、人間と同じように体の変わり目があるかもしれないね、と話しました。残念ながら、私は獣医さんではないし、浄土真宗は厄祓いもやらないから、違う人に相談したらいいよ、と話しました。
 すると友人が、『厄祓いをやらない宗教』である事に大変驚いた様子で、私に一度も厄祓いやっていないのか、と訊ねるわけです。
 厄祓いは一度もした事はないけれど、おかげさまで今こうして生かされている話をすると、自分やご主人の厄祓いをやらなくなったら、今度は子どもたちの厄祓いをやるようになってる由を話してくれました。私は、男女それぞれ違う年齢の厄年は、性差による身体の変わり目と捉えている話をし、結婚や出産年齢が高くなってる現代においては、厄年も変えた方がいいかもね、と話しました。
 友人が、なぜそこまで厄祓いが必要ないと言い切れるのか不思議だと言います。「必要ないからやらないだけだよ。じゃ、なんで厄祓いするの?」と訊いてみました。
 すると、自分や家族に災いが起きないように、に、決まってるじゃない!と。
 災いってなぁに?と私。
 病気になったり、急な事故や犯罪に巻き込まれたり、台風や地震の被害に遭わないように、に決まってるでしょ!と言われました。
 阿弥陀さまの願いは、全ての人間の苦しみの根本を明らかにし、何事にも左右されない本当の満足を与えたいという事です。その事を『抜苦与楽(ばっくよらく)』と言います。
 厄祓いは、『抜苦与楽』でなく「都合の悪い事を遠ざけて良いことを招きたい」という『除災招福(じょさいしょうふく)』を目的としています。
 『除災招福』の厄祓いには有難そうな安心感がありますが、私たちが阿弥陀さまの説いた教えに触れてゆく仏縁はそこには含まれていません。
 今年も厄祓いなどの除災招福を気にせず新年を迎えましたので、引き続き本当の『安心』を求めていきたいと思います。