浄土真宗本願寺派 教念寺
〒352-0004
埼玉県新座市大和田1−20−6
TEL:048−477−1713
FAX:048−477−0809
メールはこちら:
info@kyonenji.jp
 第14回 苦しみの原因

  前回は、人生には八つの苦しみがあるってことを見てきたね。でもそれは「人生は苦しみばかりだからしょうがないんだ」ってあきらめてしまってる訳じゃないんだよ。苦しみを真正面から見つめ、これを解決していく、そのために苦しみは説かれたんだ。今日は、苦しみの原因を考えてみよう。

  みんなは体の調子が悪くなるとどうするかな。お腹が痛いときや頭が痛いとき、熱がある時や気分が悪い時。少しくらいの具合の悪さなら家で寝てれば治るかもしれないけど、症状が重い場合は、お医者さんに行くよね。お医者さんは胸を指でたたいたり、聴診器で胸の音をきいたり、のどをみたりして、この病気の原因をさがしてくれる。かぜだとか、食べ過ぎで胃があれてるとか、日射病だとかね。そして治療して原因を取り除くことで、病気を治してくれるんだ。

  仏教の教えも、このお医者さんの診察に似ているよ。苦しみをなくすために、その原因をさぐり取り除く。原因を取り除けば、苦しみがなくなるってわけ。お釈迦様は、苦しみが起こってくる原因を考えられたよ。そして行き着いたのが心の中の「欲」、つまり煩悩だったんだ。

  人間の心の中には、3つの大きな煩悩があるよ。一つは「貪りの心」。あれが欲しい、これが欲しいという心だね。もう一つは「怒りの心」。自分の思いとおりにいかないと、どんな小さなことでも怒りちらす。そして最後に、「ものごとの道理に暗い心」。これらの心が、苦しみの原因なんだって。みんなイメージできるかな???

  例えば、苦しみの中に「求不得苦」っていうのがあったね。「求めても得られず」、つまり欲しいものが手に入らない苦しみさ。欲しいゲームがあっても、発売初日に長い行列ができて、三時間で売り切れましたってことになれば、これは手に入らない。自分も並んでたのに買えなければ悔しいよね。さて、何で君は苦しい思いをしてるんだろう。ゲームが少なくてすぐに売り切れたから?それは表面上のことで、苦しみが出てくるきっかけにすぎないんだ。むしろ原因は、ゲームを欲しいと思う君の心だよ。欲しいと思う心があるから、得られないことが苦しみになっているんだ。つまり、欲しい欲しいという「貪りの心」が苦しみの原因ってわけ。

  それから「怨憎会苦」っていうのもあったね。憎しみや恨みを抱く人と出会わなければならない苦しみ。「大っ嫌いなあの先生に毎日会わなきゃならないのは、苦痛以外の何でもない」なんて思ってる人はいるかな?何で苦しいかってきくと、「先生が悪いから」「えこひいきするから」とか、先生への批判が出てくるんだろうけど、実はそれは君の苦しみの原因じゃないよ。原因は、人を憎み、恨む心を君が持っていること。もし憎しみや恨みさえなければ、どんな人に会ったってそれが苦しみになんかなりはしない。結局、この「人を憎み恨む気持ち」「怒りの心」が苦しみの原因だったってわけ。

  こうしていろいろな苦しみを見ていくと、実は苦しみの原因が心の中にあったんだってことが分かってくるね。さて、ここでもう一度ゲームの話。一週間後、やっとゲームが買えたんだけど、これでもう「求めても得られない」苦しみから解放されたかな?答えはNO。無理なんだな。しばらくの間はそれで満足してるかもしれないけど、いずれあきてしまって、すぐまた他のゲームが欲しくなる。人間の欲望には限りが無いからね。

  ぼくたちは、全てのことがらを「自分の思い通りにしたい」と思っていて、「思いどおりにならない」時に苦しみが出てくる。だから、「思い通りにしたい」という気持ちをなくしてしまえば、苦しみが出てこなくなるっていうのが、お釈迦様の示された道なんだ。