浄土真宗本願寺派 教念寺
〒352-0004
埼玉県新座市大和田1−20−6
TEL:048−477−1713
FAX:048−477−0809
メールはこちら:
info@kyonenji.jp
  第19回 大乗仏教の発生

 前回まで、お釈迦様が実際に説かれた仏教を見てきたね。お釈迦様は当時としては信じられないくらいの長寿で、80歳まで布教活動を続けられ亡くなった。でも、亡くなって困ったのがインド国内にいたたくさんの信者たち。だって、教えてくれるお師匠さんがいなくなっちゃったんだから。

  お釈迦様が亡くなると、何よりその教えが消え去ってしまうことが心配されたよ。そこでお弟子さんたちが集まって、それぞれが覚えているお釈迦様の教えを確認しあった。こうして第1回の経典編纂作業が始まって、できあがったのが、いわゆる「お経」なんだ。お経はお釈迦様が書いたものじゃなく、お弟子さんの手で書かれたものってことなんだ。でも当時は紙やペンがないよね。だから、集まった人たちが口々にこれを称え、暗誦していったんだって。お釈迦様のお説法は「対機説法」といって、相手に合わせてお話しされたから、その数はものすごく、8万4千もあったというよ。それを全部覚えちゃうんだから、すごい記憶力だね。

  この編纂作業は第2回、第3回と続けられるよ。仏教教団はどんどん発展していくんだけど、年月が経つにつれ戒律や教えの内容が難しくなっていく。仏教は一部のエリート僧侶のためのものになってしまい、一般の人たちとはどんどんかけ離れていったんだ。お坊さんたちは、自分自身の悟りにしか興味を持たず、ほかの人、信者さんがどうなろうとまったくお構いなしになっちゃった。「こんなことじゃいけない!」と一部のお坊さんたちが立ち上がり、ついに大乗仏教が起こったよ。

  そもそも、仏さまの教えってのは、一部のエリートがやってればそれでいいというものじゃないんだ。普通の人、一般の人の、一人一人が仏になるための教えだったはず。お坊さんかそうでないかにかかわらず、だれもが仏になれなくてはいけないわけ。それなのにあまりに難しい理論を振りかざすばかりの旧来の仏教では、お釈迦様の本意にも反することになるよ。仏さまの教えを一般民衆の手に取りもどそう・・・大乗仏教が起こったのは、そんな思いからだったんだ。

  大乗仏教は、その名のとおり「大きな乗り物」の意味。大乗仏教運動が起こったとき、「大きな船に乗って、この岸(迷いの世界)からあの岸(浄土)へ、多くの人が共に迷うことなく向かいましょう」と説いて回ったことから、この名前がついたよ。こうして大乗仏教運動をするお坊さんたちは、自分自身の悟りだけじゃなく、一般の人たちの救われる道を示したんだ。

  さて、僕たちの浄土真宗は、もちろん大乗仏教だよ。そしてこの船の話は、「弥陀の大船」として紹介されてる。僕たちは、どんなにがんばっても自力で仏になることはできない。だから阿弥陀さんの船にのることで、浄土に渡ることができる、つまり仏になることができるんだ。

  阿弥陀さんは、かつて法蔵菩薩という名の菩薩さんだったよ。菩薩っていうのはもう仏になれる力は十分あるんだけど、まだならない、なろうとしない人たちのことさ。その理由は、世の中にまだまだ迷える人びとが多く、「彼らを救わずに自分だけ仏になることはできない」と考えて、仏の1つ下の位「菩薩」の位に残っているわけ。

  阿弥陀さんも、長い時間をかけて修行して、私たちをすくい取るための法を完成させた。その法が、南無阿弥陀仏の念仏さ。念仏一つで救われる・・・遠くインドから伝わった大乗仏教は、この日本の地で浄土真宗の教えとして大きく花開くんだ。