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環境破壊大臣の独り言

 住職が「凄いゴミの量だよ」と言うのが毎年2回あります。年末ラストと年始スタートのゴミ集積所の実況中継です。
 私はこの両日には早朝にゴミを捨ててあとはなるべくなら外に出ないようにします。なぜなら我が家から出る量が半端なく、自称環境破壊大臣としては恥ずかしくて仕方ないからなんです。
 ところが、です!今年の年始スタートのゴミの量は普段の1週間分でした。そうなんです。年末ラストから年始スタートまではたったの7日間なんです。毎年その7日間の溢れるゴミ袋にうんざりしていたのですが、今年は違いました。
 なぜなら新型コロナ禍で、元旦の宴がなかったからなのです。結婚して初めて楽ちんな除夜会と元旦会でした。と同時に凄く凄く寂しくもありました。
 お寺だけでなく、離れている子ども達も帰省できませんでしたし、親戚の行き来もありませんから、お節料理もほんの少ししか作りませんでした。いつもゴミが沢山出てしまう食材はご法度と家族にキツく言い含めていましたが、今年に限り、それもよかったかもしれません。
 玄関幕を外す時も賑やかで楽しかった昨年や一昨年、もっと前のお正月を思い返したりしていました。
 七草粥(実際はスズナ、スズシロの二草粥)を作りながら、子ども達が小さな頃、「胃袋を休めるほどご馳走食べてないよー」と言われた事を思い出してニヤリとしたり、松が明けるからお餅下げようか、などと、少しずつ普段に戻って行った今年のお正月です。
 医療者の友人達は、ほとんどがこの一年は家族以外誰とも食事していません。コロナチームになったりすれば、家族からも離れて暮らします。それなのに差別や風評被害などもあります。
 特別なスキルのない一般人の私が出来ることと言ったら出歩かない位です。門徒さんやご近所の方と当たり前に新年の挨拶やお互いを労う言葉かけがこんなにも幸せだと感じたのも初めての事かもしれません。
 一日でも早くまた沢山の人で集えるように、今が辛抱する時ですね。苦あれば楽ありと昔の人は本当に良い事を言いました。
 そして、同じ漢字なら『らく』より『たのしい』がもっといいなぁ、とも思います。

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