浄土真宗的お盆の考察
チラ見のテレビで、ある地方ではお盆のご先祖様の乗り物が、ミニカーなのだとレポートしていました。今時牛や馬にカポカポ乗らないだろー、私ならカボチャに魔法をかけて素敵な馬車にして欲しいなー、もちろん、御者はイケメンで、なんて妄想したりして。私が『ご先祖様』になっても、浄土真宗はご先祖の乗り物いりませんからカボチャの馬車は用意してもらえないでしょうね。
毎年新盆を迎える友人からの質問が恐怖の私です(笑)。浄土真宗の事しかわからないので、お手継ぎのお寺さんに訊いて、とお願いします。お盆の迎え方は宗旨や地域でさまざまなのです!
今年改めて驚いたのは、お盆の3日間各3食のご先祖のお食事が決まっているという事です。『もしもご用意できない場合は…』と、業者さん紹介、あー、なるほど、ここでもご商売に繋がっておりますか、という感じでした。
友人達からの相談は、それら一式は実家を継ぐ誰かがやってくれるのだが、コロナ禍で帰省もままならず、でも、自分も何かしたいの、どうしたらいいの?というものでした。友人個々の事情が違いますから、悩みを訊いて一緒に考える、ラジオのこども相談室みたいになります。気分は無着成恭さんです。
ムチャクチャ坊守は、友人達と話しながら思いました。浄土真宗はご先祖様は帰ってきません。それはずっと一緒にいてくださるから。だから、一年のうち数日間だけのおもてなしなんてしなくていい、いつも通りでいいとは、なんて幸せな事か。
特別な祭りだからと、お・も・て・な・し、は必要ないんです。お客様だー、お寿司とる?いやいや鰻重じゃない?と、しなくていい。鯵の開きと季節の糠漬けでいいのです。
そんな話をすると、友人達は必ず言います。
「浄土真宗っていいね、面倒くさい事しなくていいし、うちも浄土真宗だったらよかったのに」
えっ⁉︎それ、ちょっと違うよー。面倒くさい事しなくていいから、ではなくて、する必要がないからしないんだよって。
喉は渇かない仏さまに、カルキいっぱいの水道水はいらないし、いつも一緒にいてくださるので、たとえフェラーリのミニカーだとしても、帰ってくる乗り物は必要ないのです。