除夜の鐘
今年は、実は私はコロナ感染からスタートしました(泣)。
昨年の年末、いきなり酷い咳が出ました。食欲も普通、熱もなし。右側を下にした横向きでないと寝られない。ややや、これはただの風邪ではない、肺がヤバい!とクリニックに駆け込んで、めでたく感染者確定となりました。『どこで感染したかわからない』パターンの患者となったわけです。
義母や母が罹った時も移らなかったのになぁ、と思いながらも、とりあえず家族に拡げない対策をして、ずっとへばりついていた猫君と共に隔離生活に入りました。
どうする除夜会、元旦会、元旦の宴!ご門徒の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
咳は最強咳止めでピタリとやみ、抗ウィルス剤を処方してもらえたラッキー患者故、まったくしんどくなく動ける!でも動いちゃいけない(笑)動くな、息するな、ばら撒くな状態でありました。
母を弟に預かってもらって、母宅に隔離。まずは自分のいる環境を整え、隔離が終わった時に備えて綺麗か汚いかのゾーンを分けての生活が始まりました。隔離という名の、産後より楽ちんなお休みを頂いたわけです。
思えば社会人になってから初めて休んだ年末年始でした。しかも初めて自坊の除夜の鐘を外から聴く大晦日になりました。梵鐘がありませんから喚鐘で除夜の鐘ですが、これがまたなんと良い音でしょう!
以前、法要に初めてくる方が、新座駅から喚鐘の音をたよりに来れました、と仰っていた事を思い出しました。
広島の本院が火事に見舞われた時、焼けたからいい音がするかどうかわからない、と、亡義祖母が申していたそうですが、立教開宗七〇〇年記念の鐘ですから、場所が変わっても百年お念仏を見守ってきてくれた鐘の音です。良い音でないわけがありません。
今年の秋、広島本院に行きました時、夕方の梵鐘を撞かせてもらいました。なんとお寺の下にある病院の入院患者さんや介護施設入所の方々が、朝夕の鐘に合わせて合掌するのだそうです。ご法義に篤い地域ならではの事です。
暮れが押し迫ってきた今、鐘の音もお念仏も、きちんと響き渡らせていかねばならないなぁと深く深く想い入っています。