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卒業式と入学式

 この4月から、三男は大学院2年目、四男は大学4年生となります。学費の心配もあと1年!と思うと、何とか頑張れる気がします。
 私は保護者として学校に行くのがずっとずっと苦手でした。成績の良い子のお母様方が堂々と廊下を歩いているように見えてしまい、被害妄想だ、とか、親が不登校になってどうする、とか、子ども達からからかわれていました。
 度々、学校に行かねばならない小中学生時、4人の子ども達のうち、誰か一人でもいいので『〇〇の母ざます』と、外科医のように堂々と学校の廊下の真ん中を歩きたかったなぁと思います(注:外科医は威張って真ん中を歩いているわけではなく、廊下の両端は手すりなど患者さんの為のスペースだから、でありますが)。
 お寺の行事や予定に被らないような役員しかできないと言う負い目もあり、なかなか仲良しになる友人を作ることが難しかったように思います。それでも、子ども達がいなければ地域のお友達も作りにくいわけですから、子どもがいてくれたお陰で世界が広がったと思います。
 それなのに、新型コロナで三男の大学卒業式が無くなった時は『卒業式行きたい』と思いましたし、大学院入学式も無くなって、かなり残念な気持ちになりましたから、人間なんて本当に自分勝手な生き物だと思っています。
 先日、うちの大切な総代さんが亡くなりました。お寺の事だけでなく、ボーイスカウトを通してもうちの子ども達と関わってくださった方でした。人が好きで、子どもが好きで、明るいお酒が好きな彼のお人柄が偲ばれるお通夜とお葬儀でした。今でも夜に呼び鈴が鳴ると「ちょっと一杯飲みに来たよ」という声が聞こえた気がしてしまいます。
 お通夜やお葬儀は、もしかしたら娑婆世界の卒業式なのかもしれません。卒業式がなくても単位が取れれば卒業できますが、遺された者は、きちんとお別れが出来ないと次に進みにくいような気がするのです。
 私も、これから娑婆世界の卒業式を迎えるにあたって、やはり、こういう卒業式にしたい、と、周りの者に希望を伝える事くらいはしておかないとな、と、思うところでもあります。
 さて、お浄土の入学式はどうでしたか?一杯やりながらお話聞きたくなりますよ。  合掌

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