メジロ夫妻はおしどり夫婦
冬のある日、蹲(つくばい)でニ羽のメジロが水浴びをしていました。きっとツガイなのでしょう、一羽が水浴び時は必ず一羽が見張りをしています。夫婦仲良くしなさいよ、と、鳥に教わったようで心の中で苦笑い。たまに蹲周辺がやたらビシャビシャしているのは君たちだったのかー、と、可愛い犯人(犯鳥?)ににっこり。
それから蹲の近くに輪切りにした蜜柑(みかん)を置くようにしましたら、毎日メジロ夫妻が来るようになりました。そのうち、メジロの他にも蜜柑レストランに来るお客様がいる事がわかってきました。どうやらヒヨドリらしいのですが、野鳥達は人間の気配がすると瞬時に離れてしまいます。こちらは捕まえる気など毛頭ないので、安心して食べていってよー、と、思うのですが。
そしてお彼岸の頃、ピタっと蜜柑レストランの客足が途絶えました。
そんなある日、近くの梅の木にメジロ夫妻を見つけました(梅に鶯ではなかったー!)。うちのお客様かどうかはわかりませんが、ちゃんとツガイでやはり交代で見張りをしています。春になって花が咲き出したので、わざわざ蜜柑レストランに来なくてもよくなったわけです。
ちょうどその頃、近くの公園の野鳥に詳しいおじさんから、実はオシドリは仲良しじゃないんだという話を聞きました。
オシドリの雄がいつも雌といるのは、他の雄のちょっかいから守る為で、雌が抱卵期に入ると妻子を捨ててまた違う雌とツガイになるんだと。雌は今で言うところのワンオペ育児ですね(笑)。しかし、雄はきちんと巣を作り、雌が安心して子育てできる環境を整えてから別れます。又、雌が羽根の色のいい雄とツガイになりたがるのは、子どももいい色で(人間ならイケメン?)産みたいからだそうです。地味な雌は目立たないので天敵に狙われにくく子育てでき、実際雄より長生きなんだそうです。オシドリは一夫多妻性という事でしょうか。種類による性質の違いではありますが、メジロは一夫一妻性で浮気ナシだそうです。
長く続くコロナ禍は、仕事や家族の有り様も考える時のようです。大変な時こそ夫婦や家族で協力しないとなりませんね。小さなメジロ夫妻にそんな事を教わりました。