阿弥陀様の背景
諸々の会議がリモートになってきている昨今、同窓会もリモートでやっています。違う職種の友人達との話は、なかなか刺激的であったり勉強になります。
いつかのリモート同窓会時、起業したばかりの友人に、名刺交換はどうするのかと訊ねました。すると友人が、自分の背景にQRコードを出し、スマホをかざしてみてと言います。あら、すごい!スマホに友人の情報が、名刺として記録されました。
また先日のとあるリモート同窓会では、はからずも若さ自慢となりました。高血圧や糖尿病など、何の薬も飲んでないとか、コロナワクチンの副反応がどの位出たか、とか。ドキドキ動悸がすると、恋より心疾患を疑うお年頃の者達が、です。
やはり、誰しも老若なら『老』より『若』がよく、『病』より『健康』がよく、『老』や『病』の先にある『死』からはなるべく遠ざかりたいと思うようです。それはもちろん私にもあって、特に同い年の友人と集まる時は、なるべく若くとか綺麗にとか無駄な努力をする自分がいますから、リモートはある意味ありのままで良い楽チンさがあるようにも思います。
さて、リモートの時、自分の背景が散らかった部屋だと困りますね。実は海、山、図書室、アニメの世界など好きに選べるバーチャル背景があるので慌てて片付けなくてもいいんです!
背景の話になった時、友人達が、本堂のお内陣を背景にして欲しいと言いました。お内陣を背景にしましたら、今までのどんなバーチャル背景より素晴らしい、と絶賛されました。
バーチャル背景に限らず、水槽なども、中に本物の魚がいるかのようなものがありますが、それと同じように、もしお内陣がバーチャルだったらどうなんだろう、と考えました。
バーチャルとは仮想的という事ですから、やはり本物とは違うわけです。
今にどんなに科学が進歩しても、バーチャルお内陣のお寺だけは嫌だなぁと思います。
法要、法話会、法事、会議、バーチャルお内陣で、阿弥陀様の御前において、と、思えるのかしら?お花も変えなくていいし掃除もしなくていいけれど、バーチャルな空間で、『私』は心から手を合わせられるのかしら?