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懐かしの「だんご三兄弟」

 四男が生まれた頃『だんご三兄弟』という歌が流行りました。その頃の子ども達がその歌の節で替え歌を歌っている夢を見ました。
  一番上は鐘楼
  一番下は階段
  間に挟まれ本堂
  築地本願寺
  つきじつきじつきじ
  つきじ築地本願寺
 なぜかデパートで歌っていて、恥ずかしいからここで歌わないでね、と注意しているのです。
 それから場面が浴衣売り場になりました。浴衣を見ていると、声をかけてきた人に中学生のお嬢さんに買いたいが、どんなのがいいだろうか、と相談されました。
 中学生くらいなら、本人を連れてきて選んでもらうのがいいのではないかと言いながらその人を見ると、それが亡くなった父なのです。
 父が「あれ、お前かぁ、なんだ、大きくなったなぁ」と言います。
 「何言ってるの、私はもうお父さんが亡くなった歳を超えたのよ。子ども達も大きくなったし」と、父に子ども達其々の近況を話して、実はお父さんの布袍(法衣)が次男に裄がぴったりで、それは次男の勝負布袍(ここぞと言う時用)になっていると話しました。
 父は豪快に笑って、私に浴衣を買ってあげたいと言い、私は女の子いないし、もったいないから要らないと言い、欲しいものは自分で買うから、お父さん仏様になって忙しいんだから早く帰りなよ、と言うのです。すると父が
「お前はいつだってそうだなぁ。何でも自分でできるからやらないで、と言っていて、親の気持ちなんか一つもわかってないよなぁ。親の仕事なんて心配する事しかないんだぞ」と言うのです。起きてからもずっと涙が止まりませんでした。
 よく、亡くなった方の夢を見た人が、成仏していないのではないか、と心配なさいます。
 亡くなった方はもう仏さまですから、こちらが成仏してるかどうかなど心配する必要は全くありません。
 心配してるのは仏さまの側なんです。
 父の夢を見た話を母にしましたら「いいなぁ、私も夢でいいからお父さんに会いたい」と言いました。弟に話したら「よかったね、お父さん、元気だった?」と言いました。
 どうやら私は、だんご三姉弟の中で一番心配かけていたのかもしれません。
 一番上が心配、一番ダメで心配と、「だんご三兄弟」の替え歌がすぐにでも出来そうです。

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