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キラキラネーム

 高校の時に、名前を『康二』という先生がいました。その先生には双子のお兄さんがいて、名前を『健一』というそうです。双子で小さく生まれたので、二人合わせて『健康一ニ』なのだと話してくださいました。残念ながら教わった授業の内容は全く覚えていなくて、その話だけが耳に残っています。
 親が子に名前をつける時、きっといろんな願いを込めてつけるんだろうなぁ、と、自分の弟達も双子のせいか、大変微笑ましく思ったのでした。
 落語の『寿限無(じゅげむ)』が万人に愛されているのも、子に願いをかけて名前をつける親の気持ちが痛いほどわかるからなのでありましょう。
 さて、我が家の三男が生まれた位から、世の中ではキラキラネームなるものが出現しました。当て字やキャラクターの名前など、一般的な読み方ができない名前の総称です。実際にその名前で不便だったり、救急医療の現場で困るという声もありました。就職の時不利という話もあります。どうやらそのキラキラネームに、戸籍法の改正により2024年度から一定の制限がかかるようです。
 さて、次男が小学校高学年頃、長男にプレゼントされたハムスターを大変可愛がっていました。そのハムスターちゅうべえが亡くなった時『宙宙院釈葉夢(ちゅうちゅういん しゃくはむ)』と法名をつけて、アイスの棒に名前を書いてお墓を作り、四十九日まで毎日おつとめをしていました。
 院号法名貰えるなんて、幸せなハムちゃんだなーと苦笑いしていましたが、きっと次男は次男なりの想いを込めて、ちゅうべぇに法名をつけていたのでしょう。四十九日までの間、いのちに向き合う期間が、彼自身に必要であったのでしょうね。
 法名は、本来なら人間が頂く名前です。『釈』の字はお釈迦さまのお弟子になりましたよ、という意味です。キラキラネームとは違う意味で『釈』の字が入ると輝いているように感じます。
 そして何より私が輝いているように感じるのは、南無阿弥陀という仏さまの御名です。そこには「どうか私の名を呼んでおくれ」と言う仏さまの願いがかけられているからなのでしょうね。

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